はまぞう › 浜名湖を世界の地図に加えよう!

  

2015年12月30日

【OSM】航空写真および都市計画図の整備状況の確認方法

昨日の続きです。

OpenStreetMapにデータを編集する際に力強い味方となるのが航空写真。
これを下敷きにして建物や道をトレースするのに使います。
こんな感じ。


現在、デフォルトではBingの航空写真が設定されています。
しかし、これが使えるかは別の話になります。
その時に使えるのが国、県、市町村が撮影した航空写真になります。
ただし、位置情報がついていることが前提となります。
(つまり、人文字撮影や施設を撮影したものは使えません。)

静岡市のようにオープンデータ化されていない場合、
こういった機関に航空写真のオープンデータ化をお願いしに行くわけですが…

ないものをくれと言うのは、スマートではありません。

…ということで、

航空写真撮影状況を調べましょう。
今は、便利です。お家でできます。

こんな方法が想定されます。
1.市町村のWebページで検索(※オープンデータ化の有無も確認できます)
→気の利いた自治体であれば、撮影前に「お知らせ」や「新着情報」コーナーにお知らせとして出してくれます。
2.市町村の歳入歳出決算報告書を読む。
→項目に航空写真撮影と書いてあるかもしれませんが、自治体によっては、役所に行かないといけません。
3.国土地理院の公共測量実施状況を見る。
→これが一番確実かつ簡単にわかる方法かつお家でも検索可能です。
なぜならば、
「測量の重複を避けるために」基本的に、測量(航空写真撮影も)を行う際には、測量計画機関は国土地理院に届け出を出します。
参考:国土地理院webページ 公共測量とは?
測量法 第三十六条

1、2は、検索で引っかからなかったり、見つけるのが大変だったりするので、ここでは、3を使用したいと思います。
3であれば、県や国が実施したものも検索できますので、場合によっては、市町村以外の機関(県や国)にお願いしに行くことも可能になります。

まずは、
国土地理院のHPに行きます。



トップから、公共測量をクリックして、


公共測量のページに行きます。


下の方にスクロールして、
公共測量データベース(公共測量実施情報)をクリック。


市町村だけでなく、県や国が実施したものも検索対象にしたいので、
地域で絞り込みましょう。


今回は、湖西市を対象にします。
まずは、県を選択します。
※市町村を選択するためには、都道府県を設定しないといけません。
(橋本市や太子町など、他都道府県同一名称の市町村があるため)


次に、市町村名検索窓に、湖西市と入力。



次に、測量種別を選択し、測量種別窓で数値撮影(デジタル)にチェックを入れます。
※2005年前後から航空写真撮影はデジタル撮影が主流となっていますので、数値撮影(デジタル)で十分だと思います。


そして、検索をクリック。


別ウィンドウで検索結果が出てきます。

右にスクロールするとこんな感じ。


どこが、いつ、航空写真撮影を実施したか、調べることができます。

市町村の場合はその市町村の範囲内を撮影したものと考えられますが、
県や国の場合、市町村全域を撮影しているとは限りません。
そこで、ご自身のPCにGoogle Earthがインストールされている場合、
左の実施地域図KMLをダウンロードして確認する方法があります。
※右端の地図を見るクリックしても、うまくいく場合と行かない場合があります。
私はうまくいったことがありません。

2009年度に中部地方整備局浜松河川国道事務所が行った場所はこんな感じ。


2011年度に湖西市が行った場所はこんな感じ。


2014年度に湖西市が行った場所はこんな感じ。


これで、湖西市の場合、市の税務課が航空写真を持っていることが明らかになりました。

こんな感じで、お住まいの市町村の航空写真撮影状況を調べることができます。

なお、OSMにデータを入れる方法としては、最近、大阪府富田林市や静岡県静岡市がやっている都市計画図(縮尺1/2500)から図形データをOSMにインポートというのもあります。

都市計画図の整備状況の確認を行う際には、
測量種別のところに、数値図化、数値図化(同時調整含む)、修正測量、地図編集にチェックを入れてください。
(デジタルデータをOSMにインポートする手法ですので、都市計画図は、デジタルデータであることが大前提です。既成図数値図化は既成図自体が恐ろしく古い可能性があるので、チェックを入れなくてもいいかなと思います)


湖西市の場合、結果はこんな感じ。

右にスクロールしてみましょう。


…湖西市は最新が平成15年度の模様です。
そろそろ、更新がかかると思いますので、インポートはその後が現実的でしょうか???

以上、市町村データ整備の確認方法でした。
  


Posted by OSM_Hamanako at 16:47Comments(0)OSM

2015年12月29日

第二回 新居町今昔マッピングパーティ活動報告

12月26日(土)、第二回目となる新居町今昔マッピングパーティが開催されました。
http://osm-tokai-hm.connpass.com/event/24069/

10:.00、新居関所に集合。
今回の参加者は、7名+1-2+1でした。
(7名+お子様→親子離脱→1名遅れて参加)

今回は消火栓マッピングを行いました。
消防団の方から提供いただいた資料を基に、消火栓の有無を確認調査。





今回はホース格納庫も併せて調査しました。


2つ理由があります。
・実際の災害時には、消火栓とホースはセットで使うから、対でデータを入れたほうがよさそう。


・目印として
 新居町の場合、消火栓は地面に埋まっていることが多く、調査時には見逃す可能性があります。そこでホース格納庫!!
 このホース格納庫が消火栓の位置のおおよそのあたりをつけるのに役に立ちます。




今回、回った箇所は、次の消火ホース格納庫が目に見える近さにありました。
どうやら、住宅密集地のため、消防車が入ってこれないため、住民が自主的に火を消す必要があるためのようです。


なんと、29個(対)もありました。

実際に、ホース格納庫の中も開けてみて、実際に使えるのか、点検しました。
最初は、大人たちが好奇心?確認?のため、開けたのですが、結局、OSC浜名湖代表(出身高校が私と同じ)のお子さんが全部開けてくれました。子供の好奇心というか、一度決めたことをやり遂げる意志の強さというか、子供ってすごいなと思いました。(一緒にいる大人はどきどきはらはらでしょうが)




また、別の場所ですが、地域の自主消防団に入ってらっしゃる方もいらしていたので、ホースと消火栓の使い方を教えていただきました。

使い方
1.ホース格納庫を開ける。
2.ふたを開ける棒を取り出す。
3.棒を消火栓のふたに引っ掛ける。
4.ふたを開ける。
5.ホース格納庫からホースを取り出して消火栓に付ける。
6.消火する。




試しに開けてみましょう。




…開きません。

こんな感じで大丈夫なんでしょうか?
滅多に使わないので、ふたに砂がたまりっています。
556で一回開けたほうが良いかもしれませんね。


実際の災害時に果たして使えるのでしょうか???
(それも屈強な消防隊員ではなく、一般住民が)

マッピングパーティの街歩きは、こうして、調査するテーマを決めることで、効率よく進めることができます。
また、消火栓については、こちらで効率よく入力するアプリ「OsmHydrant」を紹介していますので、
ご興味ある方は、参照してください。Pushpinより効率が良いですね。

【浜名湖も攻めている!】湖西市新居町で消火栓マッピングパーティーを行いました!
http://takuya.hamazo.tv/e6555280.html

OsmHydrantについて
https://www.osmhydrant.org/ja/

昼食後は、市民活動センターでデータ入力。

さて、OSMでデータを入力する際には、地物を入力したら、タグといわれる、GISでいうところの属性情報を入力します。さて、消火栓のタグは該当のものがありますが、ホース格納庫は迷うところです。

※消火栓のタグ
emergency=fire_hydrant
種別は以下
 ・地下
 fire_hydrant:type=underground
 ・柱
 fire_hydrant:type=pillar
 ・壁
 fire_hydrant:type=wall
 ・貯水池
 fire_hydrant:type=pond

参考:
http://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Tag:emergency%3Dfire_hydrant


※ホース格納庫のタグ
wikiにある写真を参照したところ、emergency=fire_hoseが適当ではないかと思い、これで入力を進めました。
http://wiki.openstreetmap.org/wiki/Tag:emergency%3Dfire_hose

成果


重複ヵ所など、まだまだ編集が必要ですが、データの入力は進んでいます。
これを実際の消防団の方にヒアリングを行い、「使える」地図にしていきたいですね。

次回は、テーマをがらりと変えて、夏ごろ、子供たち主役にやる予定です。
楽しみですね!!!!!

さて、OSMでデータを入力する際に、欠かせないのが航空写真。
OSMではデフォルトでBingの航空写真が採用されています。
ところが、この航空写真、建物の倒れ込みが激しくて解像度も良くないため、地図作成に当たり、建物の範囲が分からず、少々困惑します。
こんな感じ。




一方、静岡市では、市が固定資産税調査のために撮影した航空写真や土木関係で撮影した航空写真がオープンデータとなっていて、OSMでも使用できるとのこと。現在、下り専門家さんが固定資産税課のものをOSMの編集で使えるようにデータセットしていただきました。
高解像度での倒れ込みが少ない航空写真が使えるのは良いですね。

静岡市の航空写真オルソについて
http://wiki.openstreetmap.org/wiki/Shizuoka_ortho

こんな感じでOSMの編集に使えます。


静岡市の固定資産税課が撮影した航空写真はこちら→
http://dataset.city.shizuoka.jp/dataset/shisanzei20151023-002

さて、湖西市(と旧新居町)の航空写真撮影状況はどうなっているでしょうか?
それを簡単に調べる方法があります!

続きは明日!!

  


Posted by OSM_Hamanako at 16:00Comments(0)OSM

2015年12月23日

浜名湖を世界の地図に加えよう!!第2回今昔新居町マッピングパーティのご案内

普段何気なく使っている
Web地図。その地図を作ることができるんです。

え?!どういうこと?!!

OpenStreetMap(以下、OSM)をご存知でしょうか。地図の wikipediaと呼ばれている、誰でも自由に編集ができ、使用することができる地図のことです。近年、コンプライアンス強化の風潮が強まる中、ゼンリン住宅地図、 Google Mapsや Yahoo!地図、Mapionなどの使用について、使用許諾をしっかり読みましょう、そして守りましょうという風潮が強くなっています。ゼンリン地図を利用して警察に道路使用許可申請書を提出しに行ったら、突き返されるならまだしも、著作権の侵害罪でお縄になることも十分に考えられます。

そこで、 OSM!!
https://www.openstreetmap.org/
https://openstreetmap.jp/

去る2015年 10月 31日(土)、日本全国からマッパーが集まる「 State of the Map 2015」が浜松で開催されました。
https://stateofthemap.jp/2015/

その次の日、湖西市新居町にてマッピングパーティ(OSMにデータを入れるための調査イベント・巡検)が開催されました。
https://atnd.org/events/71727

OSM上での新居町は道路は入っているけれど、建物が全く入っていない状態でした。(上記 atnd参照)

これでは、地図として使えるよな使えないような。

建物などを入れて充実させましょうと、
11月 1日(日)、新居関所に集まった日本全国のスペシャルマッパーたち。

集まった 10人ちょっとの人たちを初心者チーム(新居町神谷さんご案内)、寺チーム、南東チーム(神谷さん娘さんご案内)に別れて新居町を散策(調査)。

こちらでも様子がレポートされています。
http://takuya.hamazo.tv/e6462259.html

舞阪から自転車で来ていた私は、ただ一人、OSMの道路補正用のために、新居町中の道路という道路を GPSログで取ってくるという任務を課せられました。

一旦駅に戻り、


南下をします。とはいっても、舞阪町出身の私。新居町は、進学のため、故郷を離れたこともあり、10年間来ていません。
10年前の記憶では、役場と温水プールと中学校と町の西端にユーストアがあったような。そんな程度です。


観光にも攻めだしている新居町。





しばらくすると、郵便局が!!



中部電力が!!!


SBSが!!!


ホンダのバイクショップが!!!




役場が!!!今は支所ですかね?





川を渡り、



老人福祉センターに来ました。



温水プールもこの敷地にありますよね。

そして、南から新居中学校に入り、(新居中学校は坂の上にあります。途中で自転車で登りきることはあきらめました。)




プールを横目に北へ抜けます。



新居と舞阪に店舗を構えるかきこや



大名が泊まれる本陣。舞阪と新居は天領だった歴史があります。




レトロな酒屋さん



途中、休憩がてら小松楼へ


古いヤマハのオルガン。



イベントもやっているみたい。コラボしてマッピングパーティしてもいいかも。




そんな感じで、現在はこんな感じになりました。

https://www.openstreetmap.org/#map=16/34.6917/137.5666&layers=ND

ここからさらに充実させるべく、 12月 26日に第二回新居町今昔マッピングパーティ を開催いたします。新居関所に集合して、街歩きをして、昼食後、鷲津にて、OSMへのデータの反映を行います。
1日がかりですが、まったく初めての方、街歩きが好きな方もそうでない方も気軽に参加していただければ、と、思います。ご参加、お待ちしています。

事前にこちらのフィールドペーパーも出力してくるといいですね。
フィールドペーパーはこちらで用意するのかな?
でも、まあ、フィールドペーパーやその他資料に見たものをメモするために、画板なんかがあるといいかもしれません。
http://fieldpapers.org/atlases/3jcxefc9

!!!注意!!!

著作権があるゼンリン住宅地図、Google Maps、Yahoo!Maps、Mapion、湖西市都市計画図などは使用禁止です!!!!
そのルールさえ守っていただければ、当日の街あるきとOSM編集は気楽に楽しんでください。
世界に新居町の地図を加えましょう!
そして、安心して使える新居町の地図を作成して、地域貢献しましょう!!

申込先と詳細は以下からお願いします。 使用するアプリも書いてありますが、このほかのツールも紹介いたしますので、 インストールは必須ではありません。

http://osm-tokai-hm.connpass.com/event/24069/

では、皆様のご参加、お待ちしております。
  

Posted by OSM_Hamanako at 20:34Comments(0)OSM